幼い娘を襲ったアトピー性皮膚炎。
11年間苦しみ、母娘が笑顔を取り戻した理由とは

東京都にお住いの常世田礼子(とこよだ あやこ)さん。

2人の娘、麗奈ちゃん(14歳)と麗美ちゃん(11歳)は幼少期にアトピー性皮膚炎と診断され、強い痒みに何年も悩んできた。


しかし3年前、ある出会いをきっかけに搔きむしる回数が減り、今では楽しい学校生活を送ることが出来ているという。

一体、姉妹の生活に変化をもたらしたものは何だったのか。

ずっとそばで見守ってきた母・礼子さんと、姉妹お二人にお話しを伺った。

(左から、長女・麗奈ちゃん、次女・麗美ちゃん、母・礼子さん)

▼最終ページに実際の取材動画を掲載しています▼

1.まさか娘二人ともアトピーになるなんて。

長女・麗奈ちゃんがアトピーと診断されたのは1歳のときだ。

「アレルギー体質もあるのかな。離乳食を始めた頃に、牛乳や卵、スギ花粉とか色んなものに反応して、顔周りが真っ赤っかになって湿疹が出て。慌てて病院に行ったら「アトピー性皮膚炎です」と診断されました」

麗奈ちゃん2歳のころ

「背中や手足、もう全身。あちこちずっと掻いちゃってね。掻けば掻くほど柔らかい肌がボロボロになって、そこにばい菌が入って更に悪化して…長女は特に重症でした。見るからに赤いので、友達から避けられてしまうこともあったみたいで、見ていて私もつらかったですね」

腕の傷が目立っていた麗奈ちゃん(10歳)

「次女の場合は部分的でしたけど、5歳頃から症状が出ました。肘・膝・背中が特に荒れて、やっぱり年中痒くて半袖になりたくないってずっと長袖を着てましたね

次女・麗美ちゃん幼少期のお写真。右は父・明夫さん。

実は、母・礼子さんも幼少期にアトピーと診断され、同じ悩みを経験している。

「私の場合は成長と共に徐々に良くなったんですけど…。同じ経験をしてる分どれだけ辛いか分かるので、子供たちはなんとかしてあげたくて必死でした」

ご夫婦でインタ―ネットや書籍を読み漁り、周囲から勧められた治療法や対策は何でも試したそうだ。

「やっぱり女の子なんで、将来見た目が気になってしまうと思うんで…。出来ることは全部やってあげたくて」

「小さいころは保育園にも協力してもらって、卵や牛乳、ゴマを使わない除去食にしていました。夫の方も砂糖抜きとか小麦辞めようとか色々やってたんですけど、あまり変化がなくて。毎週皮膚科に通って、抗ヒスタミン薬やステロイドをべっとりっていう生活を続けていましたね。病院はいつも待ち時間が長くて、娘もつらい思いをしたと思います」

「小学校1年生から3年生くらいまでは、紫外線治療や水素風呂にも通いました。でも、ちょっと良くなることはあっても根本的な原因の解決にはならなかったんです」

当時使用していた大量の薬や保湿剤

当時を振り返って、麗奈ちゃん・麗美ちゃん姉妹も気持ちを明かしてくれた。

長女・麗奈ちゃん(以下、「長女」)
「最初は 関節部分が一番ひどくて、花粉とか体が熱いときとか、くすぐったくなったり痛くなったりしたときに掻いちゃう感じで、血が結構出てました。そこに汗がしみて、もう、うわーみたいな。朝学校行く前に自分で薬を塗ってたけど、面倒くさいし、ベタベタして嫌でした」

長女: 「大きくになるにつれて、腕とかお腹とか、関節以外の部分も痒くなっていきました。もう毎日、毎分、毎秒かゆくて。顔も荒れてたし目もむくんで腫れて…友達と並ぶと、みんなきれいな肌なのになんで自分だけ、って悲しかったです

長女: 「小学校高学年くらいになると周りも気になるし、頑張って隠そうとしちゃったりとか。キュロットとか長めのズボンスカートみたいなのを履いてたり、体育の授業の時とかもこう、腕組んで傷を隠しちゃってました」